「スカイフォール」帰ってきたジェームス・ボンド
007の50周年記念映画だそうである。
なるほど「スカイフォール」ダニエル・クレイグのボンドの立ち振る舞いは初代ショーン・コネリーを彷彿とさせる。
処女作「ドクター・ノオ」でボンドが登場してからもう50年にもなるのか。
いま思えばおかしい、人民服姿の片腕のノオ博士、ドラゴンのような戦車、中国兵がバタバタ死ぬ。
どう見てもB級アクション映画。
人気を決定付けシリーズ化が決定したのは第2作の「007危機一髪」
主題歌「ロシアより愛を込めて」も名曲だった。
ジェームス・ボンドはこう言った。
世界のお金持ちというのはこんな贅沢をしているんだとか、
あるいは世界にはこんなに美人がいるんだとか、
いい男はモラル関係なしにいい女とどんどん寝ていいんだとか。
「007は二度死ぬ」では日本が舞台になると「日本も世界に認められてきたんだ」、
浜美枝が「ボンドガール」で出演すれば「日本にも美人はいるんだ」と、
今度のボンドカーはトヨタ2000GTだ、と。
振り返れば笑ってしまうような話だが、当時大人も子供も本気で手に汗握ったんだ。
「ドクター・ノオ」から「スカイフォール」まで23本全部観た、という人は50年それなりの幸せな人生を送ってきた人たちといえる。
ともあれ、007シリーズは、世界をまたにかけての旅情アクション映画の元祖となった。
二匹目三匹目のドジョウは「ジェイソン・ボーンシリーズ」「MIシリーズ」と今日まで続く。
確かに「スカイフォール」はシリーズベスト5には入る。
しかし、あのラストには力が抜ける、という人も多い。
理由は簡単だ。
なぜ、ボンドガールが話のなかばであっけなく死んで、ディンチばあさんがラストまで出張っているのか。
彼女はボンドの上司Mではあるが、過去6作M役のディンチばあさんが一体どんな活躍をしたというんだ。
ぼくの脚本なら
ディンチばあさんは前半早々に殺されて、ヒロインはラストにボンドの腕の中で死ぬ。
なら観客は納得したんだ。