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浅見光彦アーカイブス(88)箸墓幻想

西暦2000年

「この『神の手』の評価に翳りが生じた。『神意』どころか『人為』を疑われたのである。」


箸墓幻想箸墓幻想
(2001/08/01)
内田 康夫

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箸墓幻想は毎日新聞日曜版に平成十二年四月二日から六十三回にわたって連載された新聞小説です。

単行本としては平成十三年八月三十日に毎日新聞社から刊行されました。

発売日当日には、新聞全国紙各紙に全面広告というミステリー小説としては異例のプロモーションがあったように記憶しています。

センセーショナルな出来事は、小説連載中の平成十二年十一月に発覚した旧石器捏造事件(神の手事件)発覚の事実と、フィクションの箸墓幻想の古墳偽装があまりにも似通っていて予言めいていたからでしょう。

また旧石器捏造事件のスクープをしたのが毎日新聞、連載小説も毎日新聞という符合も出来過ぎとの疑念もありました。

著者と新聞記者との世間話のなかで、藤村新一氏のことや毎日新聞が藤村氏を追跡しているなどの話題があったかもしれません。

ただ、物語は悲恋の様相に移り変わっていき、たくみに幻想化されます。

このあたりの技が内田康夫さんの真骨頂でありました。

藤村氏の事件とは別に、

この小説をきっかけに卑弥呼大和説が強まったといわれています。

(ものがたり)

卑弥呼の墓とも言われながら、実際はベールに隠された奈良・箸墓古墳

その謎を追求していた、敏傍考古学研究所の元所長・小池拓郎が殺される。

真相を追う浅見光彦を待ち受けていたのは、

歴史を超えた暗い情念だった。

闇は御霊たちの呪いのように、冷たく、深い     。

やがて起きた第二の殺人に、浅見は・・・・・・・・。

(じけん)

旧石器捏造事件(きゅうせっき ねつぞう じけん) は、考古学研究家の藤村新一が次々に発掘していた、日本の前期・中期旧石器時代の遺物や遺跡だとされていたものが、全て捏造だったと発覚した事件である。中学校・高等学校の歴史教科書はもとより大学入試にも影響が及んだ日本考古学界最大のスキャンダルとされ、2000年11月5日の毎日新聞朝刊で報じられたスクープによって発覚した。