傑作ドラマ「スウェーデン国家警察特捜班」完結
(AXNミステリーチャンネルより)
最終回をむかえるのが惜しい,
5話10回の構成、どの回も周到に編まれた傑作ドラマでした。
とくに最終回は第二次世界大戦のホロコーストにかかわるシリアスなドラマ。
「ミレニアム」にはじまった北欧ミステリーブームのなかでも最高傑作といえます。
映像が美しい、北欧独特の色調、アングル、どこをを切っても一枚の芸術写真になりそう。
北欧には伝統的に高度な映画技術者たちが多くいますが、いっきに花開きつつあるということでしょう。
残念ながら放映しているのがマイナーなCS局、NHKや民間大手が放映すればブレイクすると思うのですが、
放送コードの関係もあるのでしょう。
アメリカでも脚本を買ってのリメイクが多いようです。
ただこれがまったくおもしろくありません。
北欧ゆえの演出、映像、技術に追いつけません、演技すら太刀打ちができないのです。
アルネ・ダールの原作も翻訳が一冊だけ、
メディア関係者はもっと北欧ミステリーに注目していただきたい。
もう韓流ブームには辟易してしているでしょうに。
イントロダクション(AXNミステリーより)
靄の旋律批評家や編集者としての顔も持つスウェーデン・ミステリー界の重鎮アルネ・ダール原作による傑作ミステリードラマ。本作は、スウェーデンではシリーズ化されており(日本では「靄の旋律」のみ翻訳本が集英社文庫より出版)、テレビシリーズとしても5作品が映像化されている。(すべてのエピソードは、前・後編で構成。)
これまでのスウェーデン・ミステリーといえば、刑事マルティン・ベックや、ミレニアム、刑事ヴァランダーのように、主人公が独り立ち、事件を解決していく展開が多かったが、本作はその路線からは一線を画している。刑事たちが特別に集められてチームを作り、チーム力で事件を解決していく、というストーリー展開が魅力だ。チームを構成する刑事たちは、離婚歴があったり、家庭生活に問題があったり、移民だったり・・・と、それぞれが抱える問題もあり、一人一人が人間臭いキャラクターとして描かれている。
尚、小説ではチームを招集し、指揮官でもあるヤン=オーロフ・フルティーンという男性が登場するが、テレビシリーズではこの立場に当たる人物がイェニー・フルティーンという女性指揮官に変更されている。女性指揮官に変更になることについて、著者のアルネ・ダール氏は「当初は抵抗があった」と語っている。
というのも、小説は1997年のスウェーデンが舞台となっていて、また、本シリーズの構想については10年をスパンとして計画されており、1990年代のスウェーデンは現在ほど女性の活躍について一般的ではなかったのだ。しかし、本テレビシリーズでは、舞台を原作の1997年から現代に移している。現在の女性の社会進出にはめざましいものがあり、日々のニュースの中でも明らかだ。結果的に、女性指揮官の設定は、よりリアルなスウェーデン社会を映し出すこととなった。
また、ストーリーの舞台が現在になったことで、事件の謎を解く大事なキーワードとなる"カセットテープ"は、"CD"に置き換えられるなど、テレビシリーズでは現代の新しい設定を楽しむことが出来る。
長い時間をかけてつくりこまれ、地域や社会との独特の結びつき、特徴ある人間関係など、丁寧に描き出されるスウェーデン・ミステリーの世界は、数多くのミステリー作品をご堪能いただいた方々にも十分に満足のできる秀作が揃っている。スウェーデン・ミステリーの真髄に触れることの出来る大チャンスをお見逃しなく!