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「カインの娘たち」コリン・デクスター


カインの娘たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)カインの娘たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2000/12)
コリン デクスター

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「難解なクロス・ワード・パズルを二週間も考えたのち、

マンダンの教師ランバージャック・ハフ最後の言葉に行き詰って狂乱状態になった。

人に発見されたときは古い家の隅で床にすわりこみ、髪ををかきむしってわけのわからないことをわめいていた。」

       -1993年10月3日付『イリノイ・クロニクル』「カインの娘たち」より

イギリスでのクロス・ワード・パズル人気は相当なものらしい、こういう熱狂的ファンが実在するようです。

コリン・デクスター自身、有名なクロス・ワード・パズル作家、

推理小説モース主任警部シリーズ」はクロス・ワード・パズル作家の手になるもの、なるほどとうなづけます。

シリーズのなかでモースがクロスワードやスペルでルースをからかう場面がかならず登場しますが、

本書ではクロス・ワード・パズルが重要な役割を果たします。

大学の元教師の刺殺事件、もつれた糸のような複雑な展開に読者は決して犯人がわかりません。

糸玉をほぐすようなモースの推理が楽しめます。

それにしてもくたびれた中年男のモースがどうしてこうも女性にもてるのか?

内容(「BOOK」データベースより)

モース主任警部が捜査を引き継いだ、大学の元研究員の刺殺事件は意外な展開を見せた。容疑者と思われた博物館係員の男が行方不明となり、数週間後に刺殺体で発見されたのだ。凶器は博物館から盗まれたナイフだった。ふたつの殺人に何か関係が?やがて、殺された男に恨みを持つ三人の女の存在が浮かび上がるが、彼女たちには鉄壁のアリバイが!華麗な謎解きで読者を魅了しつづける、現代本格の最高峰シリーズの注目作。