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「最強のふたり」にみるクレオール礼賛

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9/28(土)よる9:00 WOWOW シネマ

黒人のドリス(オマール・シー)がとにかく美しい。

撮影監督 (マチュー・ヴァドピエ)の撮影技術によるのだろうが、冒頭のドリスの目、踊る身体、ラストの表情、演技を超えて白人もアジア人もあの「からだ」と「自信」にはかなわない。

あのドリスの自信は?、わたしはベルナベとコンフィアンの「クレオール礼賛」を思い出した。

「ヨーロッパ人でもなく、アフリカ人でもなく、アジア人でもなく、我々はクレオール人であると宣言する。

それは我々にとってひとつの心的態度の問題であろう。不断の心がまえの問題といったらいいか、いっそう正確にいえば、その中で我々の世界が、世界に対する十分な意識をもって構築される、一種の心的外皮なのだ。

我々が伝達するこれらの言葉は理論やアカデミックな原理・原則とは無関係である。」(恒川邦夫さんの訳書から引用)

フランス領(海外県)マルチニックのフランス語と地域語の混成クレオール語文化がフランス本国でも強い影響力を持ち始めている。

わたしはこの映画にクレオール文化思想の自信の一端が表出しているのではないか、と新鮮な驚きを感じたのである。

2011年のフランス映画。頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を、ときにコミカルに描いたドラマ。2011年にフランスで公開された映画の中で最大のヒットとなった。

パリに住む富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、

体を動かすこともできない。フィリップと秘書のマガリ(オドレイ・フルーロ)は、住み込みの新しい介護人を

雇うため、候補者の面接をパリの邸宅でおこなっていた。

ドリス(オマール・シー)は、職探しの面接を紹介され、フィリップの邸宅へやって来る。

ドリスは職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため、

紹介された面接を受け、不合格になったことを証明する書類にサインが欲しいだけだった。

気難しいところのあるフィリップは、他の候補者を気に入らず、介護や看護の資格も経験もないドリスを、

周囲の反対を押し切って雇うことにする。

フィリップは、自分のことを病人としてではなく、

一人の人間として扱ってくれるドリスと次第に親しくなっていく。」―wikipediaより