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フロイトとユング「危険なメソッド」


危険なメソッド [DVD]危険なメソッド [DVD]
(2013/06/21)
キーラ・ナイトレイヴィゴ・モーテンセン

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フロイトユング、なかなかわかりにくい心理学史の一面をサビーナという女性を通して語らせるという趣向。

ふたりの仲違いの原因がやはりそうだったのかと得心できる場面がある。

薄々勘づいていたけどその深い根は民族問題にあったのだ、と語る。

フロイトはユダヤ人、ユングはドイツ人。

フロイトは晩年ナチスに追われ、ユングは敗戦により傷ついた。

フロイトはユダヤ人らしく合理的、科学的、ユングはドイツ人らしくジークフリート伝説を信じる神秘主義的傾向があった。

フロイト精神分析を各人個別的なものといい、ユングは万人共通の「元型」があるという。

この映画が傑作にもかかわらず観客の共感を呼ばないのは精神分析のタブーを犯すユングに嫌悪感を抱くからだ。

精神分析治療には禁欲規則という原則がある。

セラピストがクライアントの願望を満たしてやりたい気持ちを抱くかもしれない、そのとき、それぞれ行動に移したいという気持ちに禁止をかけなければならない、当然のことだ。

どんなに希望されても患者と肉体関係を結ぶ医者がいてはいけない。

そんなユングフロイトは許せなかったというのが実際だろう。

今日になれば、ユングフロイトの決別が渡米途中での船上いさかいからというのは説得力に欠ける。

ユング派の先生方はたまらない、しょせんフィクションなのだ、史実は違う、と抗議もしたくなるだろうが。

はるか昔の物語のようだが、

ユングの名著「赤の書」は2010年、つまり3年前に世界同時出版されたばかり。

この映画のテーマは今日の問題である。


赤の書 ―The“Red Book”赤の書 ―The“Red Book”
(2010/06/26)
C・G・ユング

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