minerva2050 review

ブック、映画、音楽のレビューです。お役に立てば・・・

「重蔵始末」逢坂剛


重蔵始末 (講談社文庫)重蔵始末 (講談社文庫)
(2004/07/15)
逢坂 剛

商品詳細を見る

テレビドラマ「MOZU」シリーズでブレイクした逢坂剛さん、再び百舌シリーズが売れている。

原作はおもしろいが、なにせ30年前のハードボイルド小説。

ヒットは脚本、監督の羽住英一郎さん、出演の西島秀俊さん、香川照之さん、真木よう子さんらの情熱に負うところが多いでしょう。

羽住さんの絵作りは特殊なフィルターを使うのか、ザラッとした暗い画面が多い。

映画でいう「銀残し」のテレビ版というところでしょうか。

しかし逢坂剛の傑作といえば「重蔵始末」シリーズ。

藤沢周平池波正太郎に続く時代小説家として名乗り出た。

親子鷹。

言うまでもなく時代小説の挿絵画家「中一弥さん」の三男。

父親に挿絵を頼むとなれば、おのずと力がはいったでしょう。

中一弥さんからすれば息子の小説の挿絵、感無量だったでしょう。

思い入れはともかく、読者からすると「重蔵始末」シリーズ、はじめは時代小説としての立ち上がりいまひとつ乗れないところがありましたが、シリーズが進むにつれて興に乗るという感じ。

「おもしろくなければ小説ではない」が持論の著者、

「オール読み物」「小説現代」などの時代小説挿絵家の息子の面目躍如です。

内容(「BOOK」データベースより)

火盗改・近藤重蔵、二十一歳。強者揃いの御先手鉄砲組でも際立つ偉丈夫。傍若無人の言動で毀誉褒貶半ばする。ロシアの謎の大男、美女のかたき討ち、茶屋の狂歌殺人事件…。寛政の世を揺るがす怪事件を型破りの手法で重蔵が解く。後に北方探険家として名を馳せた奇才を主人公に描く、著者初の本格時代小説。