minerva2050 午後の愉しみ

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「推定無罪」から23年後の続編「無罪」スコット・トゥロー

スコット・トゥローのベストセラー小説というより、

1990年公開の映画「推定無罪」の続編といったほうがわかりやすいでしょう。

法廷ミステリー映画としてはおそらく名作「情婦」につぐ傑作映画でした。


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主人公ラスティ・サビッチをハリソン・フォードが演じ、とくに高額弁護士サンディ・スターン(ラウル・ジュリア)の颯爽とした登場には当時の日本映画ファンは唖然としたものでした。

万事金次第のアメリカ法曹界の内幕をこれほど鮮やかに、かつ肯定的に描いた映画はほかにありません。

さらにヒット作だけにラストシーンが倫理的にどうなのかと話題になりました。

原作者スコット・トゥローへの関心はこの映画からはじまりましたが、その後「立証責任」「有罪答弁」と重厚な法廷ミステリーを連発し「死刑判決」まで、あの読書家児玉清さん絶賛のシリーズとなりました。

ただ「推定無罪」のラストは法律家スコット・トゥローにすればつねに胸のうちに引っかかっていたのでしょう。

あれでいいのか、サビッチ夫妻はその後の人生を無事に送れるのだろうか?そのわだかまりは読者にも、映画ファンにも重く残っていたのです。

そしてなんと23年後、続編「無罪」が出版されました。


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なつかしい主人公たち、ラスティ・サビッチ、バーバラ・サビッチ、弁護士サンディ・スターン、執念のようにラスティを追うトミー・モルト検事たちが出揃います。

物語は冒頭バーバラ・サビッチの死からはじまります・・・

いま、ミステリー小説「無罪」を読もうとされる人は、23年前の「推定無罪」を読まれるか、映画をDVDで観られてからにしましょう。

長くスコット・トゥローファンの人は、23年前自分は何をしていたか、社会はどんなだったかを懐かしみ、

そして20数年後に続編に出会えた今日の幸福に感謝しましょう。

ありがとう、スコット・トゥロー、なるほどの結末でした。