漱石はブックリーダーで読む

最近漱石の「門」の欠落していた原稿の一部が見つかったらしい。

だからといってなんの発見もなかったのだ。

「門」はわたしにとって漱石作品のなかではいちばんのお気に入りなのだ。だからちょっと気になった。

漱石は岩波の全集で読むべし、とのご宣託もあるが、

いまどきの人には青空文庫からダウンロードしてブックリーダーで読むのが金がかからず手軽で、とにかくかっこいい。

さらに、ブックリーダーで読むと新発見がある。

ブックリーダーを横位置でやや拡大気味で読むと、発表当時の新聞小説として読めるのだ。

漱石先生のことだ、自分の小説が新聞紙面でどのような絵として映っているかは十分意識していたはずだ。

実際そうして読むとはるかに新鮮でおもしろいのだ。

未完の長編「明暗」もこれなら苦もなく読める。