minerva2050 午後の愉しみ

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30STM ジャレット・レト監督ドキュメンタリー「ARTIFACT」

2008年夏、新たな創作の場を求めて動き始めた

 

サーティセカンズ・トゥ・マースは

 

所属レコード会社EMIから契約不履行で提訴された。

 

訴訟額3000万ドル、30STMに30ミリオン

 

だが彼らは屈することなく新譜の政策に着手

 

中心人物ジャレット・レトは録音をつづけながら

 

創造と闘いの記録を映像作品として残した。

 

バーソロミュー・カミンズの名で

 

 

音楽ファンのみならずあらゆる分野のクリエーターたちに衝撃をあたえるドキュメンタリー「ARTIFACT」

 

ある意味で21世紀における象徴的歴史事件ともいえる。

 

しかし残念ながら、映画は日本では公開されなかったし、DVDも発売されていない。

 

放映したWOWOWは番組をこう紹介している。

 

ジャレッド・レト

 

2013年に出演した映画『ダラス・バイヤーズクラブ』での演技が絶賛され、2014年の第86回アカデミー賞助演男優賞のほか、数々の映画賞を獲得したジャレッド・レト。一方で、ジャレッドはロック・バンド、サーティー・セカンズ・トゥ・マーズを率い精力的に活動中だ。3rdアルバム『ディス・イズ・ウォー』発表後の2009年から行なったワールドツアーは60カ国、311公演に及びギネス世界記録に認定。さらに2013年に発表した最新作も全米トップ10のヒットとなり、ミュージシャンとしても成功を収めている。

しかし、成功の陰には苦闘の歴史があった。契約枚数未消化で所属レコード会社から2008年に起こされた3000万ドルの巨額訴訟。その重圧のなかで完成させた『ディス・イズ・ウォー』のレコーディング過程を追い、自ら監督したドキュメンタリーが本作だ。ジャレッドとバンドの実像、そして音楽業界の裏事情もうかがえる興味深い作品である。

 

映画の中でジャレッド・レトはこう言っている。

 

1.これは芸術家と商業主義の戦いの記録である。

 

2.音楽の発表媒体がCD販売の形態からネット販売に移り、レコード業界が瀕死に直面し、抱える音楽家からの搾取が激しくなっている。

 

3.苦境のレコード企業を業界に通じない資本家たちが買収売却で利益を上げようと、まさにハゲタカファンドなみに食いつき、素人集団化している。

 

4.企業のお抱え弁護士たちが法律に疎い芸術家に訴訟を仕掛けて脅すというアメリカ的風景がある。

 

話を聞けば、

 

ベニスの商人」なみのえげつない話と聞こえるし、

 

はたまた、江戸時代の女衒がよくする足抜け女郎への脅し文句とも聞こえる。

 

ジャレッド・レトはこう言う。

 

こんな社会構造おかしくはないか?

 

『ディス・イズ・ウォー』

 

ただ残念なのはラスト、EMIとの和解、和解内容が示されないまま映画は終わっていること。

 

さいわい30STMが才能ある若者たちゆえに勝利できた。

 

あたかも18世紀末のウイーン、モーツァルトハイドンベートーヴェン登場の音楽世界を彷彿とさせる。

 

衝撃的な名画である。

 

しかし、この映画の本当の肝はわずかに語られる、ジャレッド・レト、シャノン・レト、 トモ・ミレセヴィックの少年時代の思い出である。

 

レト兄弟はわずか17歳の母親、それも当時のピッピーらしきコミューン仲間の子として誕生している。

 

まわりには音楽があふれていたが、おそらく貧しい母子家庭で多くの差別を受けてきたと思われる。

 

だから弱い者がいじめられる社会を見過ごせない鋭敏で過激な感性がこんな映画を作らせる。

 

兄のシャノン・レトは大の学校嫌い、ドラムも独学で習得している。

 

学校のない世界こそいろんな可能性がある、といっている。

 

レト兄弟の考え方は「脱学校社会」のイヴァン・イリイチの思想に近い。

 

リード・ギター、バイオリン、キーボードの トモ・ミレセヴィックはクラシック畑からの参加、ほぼ音楽オタク。

 

多くの若者が30STMに共感するのは音楽ばかりではなく自由なその生き方に共鳴するからであろう。

 

 

 

レトが第86回アカデミー賞助演男優賞を受賞した「ダラスバイヤーズクラブ」は「ARTIFACT」の延長線にある。

 

 

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