minerva2050 午後の愉しみ

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「25年目の弦楽四重奏」&「持ち重りする薔薇の花」

もし人生がもう一つあったら何をしたいかと質問されて、

「第二の人生では心理学者になって、なぜクヮルテットの四人の仲がぎくしゃくするのか研究したい」

と答えたくらいなのに、演奏となるとじつにいいアンサンブルでじっくり聴かせる、

        

                  「持ち重りする薔薇の花」より

 

 

 

持ち重りする薔薇の花 持ち重りする薔薇の花
(2011/10)
丸谷 才一

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25年目の弦楽四重奏 25年目の弦楽四重奏
(2013/07/03)
アンジェロ・バダラメンティ、アンネ・ソフィー・フォン・オッター 他

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「25年目の弦楽四重奏」はヤーロン・ジルバーマン監督によるアメリカ映画、「持ち重りする薔薇の花」は故丸谷才一さんの遺作小説。ともにそれぞれの世界では趣味人にこそ愛されている佳作。

 

たまたま、2011年同じ時期に、弦楽四重奏団の音楽家たちを主人公に据えて、悩む演奏家を同じように描いている。

 

あくの抜けない苦い二品の料理をいっしょに味わうと、これが意外といける、という次第。

 

映画「25年目の弦楽四重奏」では

第1バイオリン マーク・イヴァニール

第2バイオリン フィリップ・シーモア・ホフマン

ヴィオラ キャサリン・キーナー

チェロ クリストファー・ウォーケン

 

いっぽう小説「持ち重りする薔薇の花」では

第1バイオリン 「プロフェッサー」厨川 

第2バイオリン 「殊勲賞」鳥海 

ヴィオラ 「テツチャン」西 

チェロ 「チェロさん」小山内  という設定

 

映画であれ小説であれぎくしゃくする不仲の理由は自らの技量への過信。

 

とくに第1バイオリンと第2バイオリンの仲たがいが多い。

 

映画では第2バイオリンのフィリップ・シーモア・ホフマンが第1バイオリンをやりたいと言い出すが、仲間から「君には第1バイオリンは無理だ」言われてだんだん切れてくる。その切れ具合はアカデミー男優賞のフィリップ・シーモア・ホフマンがうまい。

 

小説では第1バイオリン「プロフェッサー」の厨川君が天狗になって、

「君たちはおれをやめさせたいらしいが、それは筋違いだ。

おれのバイオリンで持っているクヮルテットぢやないか。

いやならそっちがやめてくれ。ぼくがほかのメンバーを探す」と言って出て行く。

 

それを言っちゃあおしまい、というところだが結局は元のサヤに帰る。

 

それぞれにあやうい四重奏団、「持ち重りする薔薇の花」とはさすがに丸谷才一さん、うまい。