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「中国五千年」を読み解く


中国五千年(上) (講談社文庫)中国五千年(上) (講談社文庫)
(1989/11/08)
陳 舜臣

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国史五千年といわれると紀元後2千年はともかくとして紀元前が三千年あるということになります。

殷王朝が西暦前千六百年ごろですから夏王朝の実在からの話になります。

ともあれ小説家陳舜臣氏は簡略な歴史概論として、小説家らしい端正な文章で「中国五千年」を著し、わたしは中国史の入門書として読み始めたのです。

国史のポイントは「中華」とはなにか?

そして「封建制」と「郡県制」の違いは?

が現代中国まで「やじろべー」のようにふらふらと右左と揺れ動いているさまを見つめる、ということになりましょう。

最近の考古学的発見は史書の書き換えにかしましいですが、

内藤湖南氏は中国史支那史あるいは東洋史と呼んでいます。

考えてみれば「中国」と自国を呼んだ中国人は、

1901年、梁啓超が『中国史叙論』においてであり、いまだ110年しか経っていないのです。