「ニコラス・クインの静かな世界」
「ニコラス・クインが海外学力検定試験委員会の一員に選ばれた際、委員会は大騒ぎとなった。
彼は極度の難聴で、会話を交わすにも読唇術だけが頼りだったからだ。
三ヵ月後、クインは毒殺死体となって発見された。」
いうまでもなくオックスフォード市は歴史ある学園都市で世界でもっとも美しい街のひとつです。
その中心街での事件、さらに、
試験問題漏洩事件という大学でありがちな事件が伏線になっています。
コリン・デクスターのモース警部シリーズ第三作。
迷路のような事件の構図に、モース警部もまして読者は犯人にたどり着けません。
さて余談ですが、スタジオ2という映画館が事件の鍵の場所として登場します。
小説ではポルノ映画館という設定ですが、
テレビドラマではその映画館で「ラストタンゴインパリ」が架かっていた。
うしろのポスターは「パリ・テキサス」。
小説が書かれたのは1977年、テレビドラマは1980年代ですから、
懐かしい風景ではあります。