「項羽と劉邦」の楽しみ(5)夏侯嬰(かこうえい)
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前回の中国ドラマ「項羽と劉邦」で劉邦と蕭何の伝令役に夏侯嬰が出てきました。
そうそう、呂后の時代になって寵愛されたのが蕭何と張良のふたりだけといいましたが、夏侯嬰を忘れていました。
夏侯嬰も呂后に大邸宅を与えられ幸福な人生で終わりました。
まったく幸運だけで成功した実直な人間の見本のような人物です。
夏侯嬰は賢臣というより忠臣といったほうがいいでしょう、ドラマでも人のよさそうな役者さんを配しています。
呂后には夏侯嬰に恩義があります。
劉邦が項羽との戦いに敗れて逃走するとき、馬車の荷を軽くするためふたりの我が子を蹴落として自分だけが助かろうとしたとき、ふたりの子孝恵(のちの恵帝)、魯元を助けたのが夏侯嬰でした。
呂后、恵帝は終世夏侯嬰に感謝しています。
考えてみますに、劉邦(のちの漢の高祖)という人はじつに分かりにくい人物です。
ドラマでもこんな男が本当に皇帝になれるのだろうか、という展開です。
それに比べますと呂姫はわかりやすい、その後の残忍な性格は夫劉邦がわが子を殺そうとしたこの出来事を聞いてからだといわれます。