映画「奇跡の2000マイル(原題 TRACKS)」セミドキュメンタリーの秀作
アリススプリングス、オーストラリアの地図を開くとど真ん中にある小さな町。そこから砂漠を横断してインド洋まで歩いて女一人旅をしようという無謀な計画を実現した24歳のロビン・デヴィッドソンの実録をセミドキュメンタリーで撮った秀作。
1.なにより主演ミア・ワシコウスカ、体当たりの演技がいい。
ラクダを連れて砂漠をただただ歩く、演技というより過酷な状況の中でロビン・デヴィッドソンになりきっている。
2..カメラワークがいい。
オーストラリアの砂漠の美しさを余すところなく撮っているが、実際は大変な撮影であったろうと思われる。
3.監督、プロデューサーみんな本気。
原作 「TRACKS」を映画化しようとした時から関わる人たちがみんな本気、それこそ命がけで作ってるという気分
がビシビシ伝わってくる。
4.ロビン・デヴィッドソン本人の手記がシナリオになっているためリアリティがはんぱじゃあない。
野生のラクダが襲ってくる、素朴なアボリジニたちの協力、愛犬が大自然の中でよりによって誤って農薬を飲んで死んでしまうなど、とても作家の想像力では思いもよらない展開である。
ロビン・デヴィッドソンのこの困難な旅の成功には本人の努力もさることながら、ナショナル・ジオグラフィック誌の協力とその連載記事に励まされたことは大きい。
ロビンの美貌と強い意志、過酷な砂漠の冒険談にナショナル・ジオグラフィック読者は夢中になったのではないだろうか。
記録映画といってもいい名画である。