映画「ハンガーゲーム」ジェニファー・ローレンスの快走
アメリカの作家スーザン・コリンズによるヤングアダルト小説(青少年向けのライトノベル)が原作。
近未来のSFファンタジーと気軽に見始めたのだが、
意外やいがい、現代社会を投影したシリアスなドラマに仕上がっていて、時間も忘れて見入ってしまった。
観客にそう思わせるのは、ジェニファー・ローレンスが悲しげで毅然とした主人公を演じたことによるのだろう。
美人女優というわけでもなく名優というわけでもなく、どこにでもいそうな彼女なんだけど実在感がある。
まったく違うジャンルの映画なのに『ウィンターズ・ボーン』の続編を観ているような気にさせる。
まあそれだけ『ウィンターズ・ボーン』が強烈な傑作であったということなんだろう。
それにしてもアメリカは広い。
ニューヨークやボストンのように夢見るような近代都市があるかと思えば、モルモン教のユタ州、あるいはアーミッシュの町があったり、『ウィンターズ・ボーン』の不条理劇のようなHillbillyの村があったりする。
心にしみこむようなアメリカ文学の秀作の多くが「マイノリティ」作家たちの手になる不思議、これもアメリカである。
思わぬヒット作となった「ハンガーゲーム」、続編も決まり、三部作になる予定と聞く。
ジェニファー・ローレンスの快走は止みそうもない。