minerva2050 review

ブック、映画、音楽のレビューです。お役に立てば・・・

映画「ハンガーゲーム」ジェニファー・ローレンスの快走

ダウンロードハンガーゲーム

アメリカの作家スーザン・コリンズによるヤングアダルト小説(青少年向けのライトノベル)が原作。

近未来のSFファンタジーと気軽に見始めたのだが、

意外やいがい、現代社会を投影したシリアスなドラマに仕上がっていて、時間も忘れて見入ってしまった。

観客にそう思わせるのは、ジェニファー・ローレンスが悲しげで毅然とした主人公を演じたことによるのだろう。

美人女優というわけでもなく名優というわけでもなく、どこにでもいそうな彼女なんだけど実在感がある。

まったく違うジャンルの映画なのに『ウィンターズ・ボーン』の続編を観ているような気にさせる。

まあそれだけ『ウィンターズ・ボーン』が強烈な傑作であったということなんだろう。

imagesウインターズボーン

それにしてもアメリカは広い。

ニューヨークやボストンのように夢見るような近代都市があるかと思えば、モルモン教ユタ州、あるいはアーミッシュの町があったり、『ウィンターズ・ボーン』の不条理劇のようなHillbillyの村があったりする。

心にしみこむようなアメリカ文学の秀作の多くが「マイノリティ」作家たちの手になる不思議、これもアメリカである。

思わぬヒット作となった「ハンガーゲーム」、続編も決まり、三部作になる予定と聞く。

ジェニファー・ローレンスの快走は止みそうもない。