minerva2050 review

ブック、映画、音楽のレビューです。お役に立てば・・・

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

音楽の友その2「シューマンの指」から

「シューマンの過酷な運命は知る人ぞ知る、自殺もやむをえない」と書いたが、 ロベルト・シューマンは1856年7月29日午後4時、死亡した。 自殺といえるかどうか、病死というのが正しいかもしれない、拒食による餓死を自ら選択できるだろうか。 では死…

回顧 井上ひさし

近松門左衛門以来の天才戯作者、小説家井上ひさしさんを回顧しておこう。 戯曲家井上ひさし 観た舞台は「日本人のへそ」「道元の冒険」「泣き虫なまいき石川啄木」「組曲虐殺」くらい。笑い転げて、石原さとみさんがうまいな~という印象。みんなとにかく早…

アナトリー・ヴェデルニコフ 奇跡のピアニスト(その3)

ロシア・ピアニズム名盤選28 ヴェデルニコフ/20世紀ロシアの作品(2005/05/25)ベデルニコフ(アナトリー)商品詳細を見る 日本人がよく知るロシアのピアニストといえばリヒテルとギレリスであろう。 そのリヒテルが西側記者団に「国には自分よりすごいピアニス…

マリア・ユーディナ 奇跡のピアニスト(その2)

すこし昔、友人Hが新しいステレオを買ったので聴きにこないか、と誘った。 彼の部屋に入ると机の上に大きめのラジカセが置いてある。 「これを買ったんだ」とうれしそうに言う。 友人Hはクラッシックファン、とくにジョージ・セル指揮のクリーブランドオー…

漱石はブックリーダーで読む

最近漱石の「門」の欠落していた原稿の一部が見つかったらしい。 だからといってなんの発見もなかったのだ。 「門」はわたしにとって漱石作品のなかではいちばんのお気に入りなのだ。だからちょっと気になった。 漱石は岩波の全集で読むべし、とのご宣託もあ…

奇跡のピアニスト

ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、文芸の世界で圧倒する芸術家はロシアに多いが、 そのほかの芸術分野、例えば映画、バレエなどでも優秀な芸術家が輩出している。 それは世界の七不思議のひとつと言っていい。 例えばバレエ、いわゆるクラッシック…

ヨシフ・ブロツキー ヴェネチア その1)

ヴェネツィア 水の迷宮の夢(1996/01/17)ヨシフ・ブロツキー商品詳細を見る ヴィスコンティの映画「ベニスに死す」に触発されて、ヴェネチアにかかわるさまざまなイメージを思い出している。 この町の美しさ、すぐにヨシフ・ブロツキイの短編小説「ウォーター…