minerva2050 review

ブック、映画、音楽のレビューです。お役に立てば・・・

2019-01-01から1年間の記事一覧

「十二国記」新作

いわば東洋の「指輪物語」、きっと永く読み継がれる名作なので、新作に直木賞くらいあげておかないと、将来、直木賞選考委員の人たちはきっと恥ずかしい目に合うでしょう。いまは奇書、あすは名著食わず嫌いという言葉があります。読書ではさしずめ嫌いなジャンルという…

近未来の警察小説、おもしろかった 

SFというより近未来を借りた警察小説、ハードボイルド小説として読ませる、という感じです。現代の警察小説では制約が多くて飛び越えられないことをすっ飛ばすという快感があります。姿、ユーリ、ライザのキャラクター設定がうまい、彼らは窮地でどうなるの…

 数字60でイメージできるものは?

数字60でイメージできるものは?例えば定年60歳・・・著者は何をイメージしてこの小説を書き始めたのだろうか。刑事有馬、検察官春名、弁護士世良のキャラ立てがうまい。はじめは穏やかな展開だが段々熱を帯び、終いにはそれぞれ職を賭しての戦いとなり息…

2018年のベストワン小説、熱い、一気に読みました 

第160回直木賞受賞 宝島 作者: 真藤順丈 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/06/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 1952年から 1972年まで沖縄の史実に即した冒険談あるいはミステリー。オンちゃんグスクレイヤマコ20年の成長物語で…

脅威の近未来小説  百年法

百年法 (上) (角川文庫) 作者: 山田宗樹 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2015/03/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 不老化措置も生存制限法も現実にはあり得ないことであるが、もしあり得たら、と小説は始まる。しかし超高…

三体 中国発のSF小説

SF小説の傑作 三体 作者: 劉慈欣,立原透耶,大森望,光吉さくら,ワンチャイ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/07/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 中国のSF小説は珍しいが、これが息をのむほど面白いです。文革時代の下放から今日まで…