「項羽と劉邦」の楽しみ(10)項羽,鉅鹿(きょろく)へ
WOWOW 毎週土曜午前9:00(2話ずつ放送)
このドラマのおもしろさは、歴史劇のなかで「なるほど、そうだったのか」とうならせるリアリティが散見することでしょう。
劉邦がわずかな手勢で別働隊として関中を目指すのは、秦軍の本体との戦いを恐れて嫌い、加えて懐王から関中に一番乗りすれば関中王に任ずるとの甘言にのったからですが、
なんとも小心で姑息な劉邦という男の正体をあぶりだしています。
一方の項羽は宋義を殺し、秦軍の猛蔣章邯(しょうかん)に果敢に挑戦します。
英雄といえば項羽でしょう、情けない男の見本みたいな劉邦が漢の高祖となるとは、歴史の皮肉、偶然のなせる業でしょう。
「なるほど、そうだろう」と納得の展開ではあります。