minerva2050 午後の愉しみ

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シューマン 音楽の友その1「シューマンの指」から

シューマン『ピアノ協奏曲イ短調』Op54

バロック時代にチェンバロ協奏曲としてはじまり、モーツァルトの手で豊かに開拓された、ピアノ協奏曲というジャンルにおける最高傑作。

・・・各楽章は明確な意匠の下で動機的に関連づけられ、主題は堅固な組み立てにおいて処理されて、高い構築性と奔放な幻想性をふたつながらに、ほとんど奇跡のごとく実現している。」

シューマンの指」 奥泉 光から


シューマンの指 (講談社文庫)シューマンの指 (講談社文庫)
(2012/10/16)
奥泉 光

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学生時代、音楽評論家を職業としようとした友人がいた、S君としておこう。

当時から月刊誌「レコード芸術」は音楽愛好家にはなかなかの人気の雑誌であった

S君は、その「レコード芸術」の音楽評を書く仕事に就くのが夢であった。

批評文の下書き、大学ノート3冊分をわたしに読ませ、どうだろうか、と問うた。

ところがそういう希望者は何万人もいて、なおかつ新譜評担当の評論家ポストは十人前後で絶対に手放さない名誉ある仕事らしい。

事実、宇野功芳先生なる御仁などは当時から現在までそのポストにゆうに40年は鎮座していらっしゃる。

先ごろ逝去された吉田秀和氏はおそらく雑誌創刊以来の主筆、亡くなられても遺稿が載っている。

つまり、プロ野球のトップ選手になるよりも総理大臣になるよりもむつかしい音楽ファンあこがれの希少ポストらしい。

さすがに友人はあきらめて銀行員になった。

小説家奥泉 光さんも学生時代そんな夢を抱いていたのではないか、かなわぬ夢への趣旨返し。思いっきりシューマンピアノ曲の評論を書いてみたかったのだろう、ミステリー仕立てで。

それはともかくシューマンの過酷な運命は知る人ぞ知る、自殺もやむをえないと思わせる。

ここで奥泉光さんが絶賛する『ピアノ協奏曲イ短調』Op54を聴いてみよう。

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