minerva2050 午後の愉しみ

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文学

「死刑判決」スコット・トゥロー リーガルサスペンス

情婦 [DVD](2008/06/27)タイロン・パワー、マレーネ・デートリッヒ 他商品詳細を見る アメリカのミステリー映画で成功しているものにリーガルサスペンスと呼ばれる法廷ものがあります。 過去1950年代から「十二人の怒れる男」や「情婦」という名作になら…

平岩弓枝「御宿かわせみ」続 「長編小説作家」という時間の気配り

怪談牡丹灯篭 怪談乳房榎 (ちくま文庫)(1998/08)三遊亭 円朝商品詳細を見る三遊亭円朝の「牡丹灯篭」 わが国の近代小説の幕開けは明治、文明開化の掛け声とともに始まる、まさに奇跡の時代であった。 波紋を広げた投げた石の一つは二葉亭四迷から始まる翻訳…

プルースト 「長編小説作家」という時間の気配り

スワンの恋 [DVD](2006/05/26)ジェレミー・アイアンズ、オルネラ・ムーティ 他商品詳細を見る 長編小説が好きである。 どのくらい長いものから長編小説になるかは読む人の個人差で決まるのであろうが、 例えばわが国は「源氏物語」から「大菩薩峠」まで長編…

モンテーニュから王女マルゴへ

王妃マルゴ [DVD](2012/07/13)イザベル・アジャーニ、ジャン=ユーグ・アングラード 他商品詳細を見る モンテーニュの「エセー」のなかでもっとも長く深刻な章は、第二巻第十二章の「レーモン・ド・ズボンの弁護」である。難解な神学論であるが、これが王女マ…

「重蔵始末」逢坂剛

重蔵始末 (講談社文庫)(2004/07/15)逢坂 剛商品詳細を見る テレビドラマ「MOZU」シリーズでブレイクした逢坂剛さん、再び百舌シリーズが売れている。 原作はおもしろいが、なにせ30年前のハードボイルド小説。 ヒットは脚本、監督の羽住英一郎さん、出…

「長崎殺人事件」浅見光彦シリーズ(16)

長崎殺人事件: 「浅見光彦×日本列島縦断」シリーズ (光文社文庫)(2011/10/12)内田 康夫商品詳細を見る 数ある浅見光彦シリーズの中でも傑作との評判の高い作品。 その理由は事件がグラバー邸や長崎市内の名所に限られていること、 名物のカステラの「松風軒…

「女ざかり」丸谷才一

女ざかり(1993/01/10)丸谷 才一商品詳細を見る 日本文学の秀才のとりあえず代表作です。 独自の日本文学史観から明治の文豪たちをなで斬りし、 みずから天下一の秀才「才一」と名乗るほどの書き手による現代小説は如何に、というところでしょうか。 物語は某…

渡辺淳一「無影燈」

無影燈(2001/02/01)渡辺 淳一商品詳細を見る このところ渡辺淳一の小説を立て続けに読んでいる。 べつに評判の不倫ポルノ小説をニヤリとして読んでいるわけではない。 あえて言えば、渡辺淳一という作家がどのあたりから流行作家というワナに落ちて身を持ち…

別館三号室の男 コリン・デクスター

別館三号室の男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)(1994/06)コリン デクスター商品詳細を見る 「道が間違っているのに、走ってなんになる?」ドイツの諺 213P そうなんです、あいかわらずの迷走、モース主任警部。 顔にドーランを塗り、民族衣装をまとった奇妙な…

「ジェリコ街の女」コリン・ デクスター

ミステリーチャンネルで10年ぶりの再放送、画像も少し綺麗でした。 十年ぶりに書庫から顔を出したコリン・ デクスターの「モース警部シリーズ」十数冊。その中から忘れている話を読み始めました。 いまではオックスフォードまでグーグルのストリートビュー…

「笑う未亡人」スペンサーシリーズ(29)ロバート・B・パーカー

「スーザンと私、ホークとエステル・ラファエルという女性の四人で、チャールズ川のケンブリッジ側にあるハイアット・ホテルのゼファーという店で夕食をしていた。部屋の川側は一面がガラスで、川と、川向こうのフェンウエイ・パークのナイトゲームの明るい…

「オックスフォード運河の殺人」コリン・デクスター

「ジョアナ・フランクス ここに眠る 野蛮かつ残虐な暴行をうけたのち オックスフォード運河で痛ましい 水死体となって発見された ロンドンのチャールズ・フランクスの妻 1859年6月22日死去 享年38歳 不慮な死をとげたこの不幸な婦人のために サマー…

「カインの娘たち」コリン・デクスター

カインの娘たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)(2000/12)コリン デクスター商品詳細を見る 「難解なクロス・ワード・パズルを二週間も考えたのち、 マンダンの教師ランバージャック・ハフ最後の言葉に行き詰って狂乱状態になった。 人に発見されたときは古い家の…

浅見光彦アーカイブス(3)赤い雲伝説殺人事件

「ここに来て気付いたのだけれど、いたるところに立つ看板ですね。 推進派と反対派では『原子力発電所』という言葉に対する表現の仕方が違うのですね。 推進派は『原電』といい、反対派は『原発』といっています。」 赤い雲伝説殺人事件 (廣済堂文庫)(2010/0…

マキャべェリとチェーザレ・ボルジア

wowow ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 全9話 8/7(水)スタート WOWOW プライム字毎週月~金曜午後2:00 「わたしのねらいは、本書を読む人にとって実際に役立つことを述べることである。 だから、想像の世界ではなく、真実をありのままに伝える。」マキ…

「森を抜ける道」コリン・デクスター

WOWOW8/31(土)午後2:00でスタート「新米刑事モース~オックスフォード事件簿~ 「わたしを見つけて、スウェーデンの娘を わたしを蔽う凍った外被をとかして 青空を映す水を乾かし わたしの永遠のテントを広げて」 A・オースチン(1853-87) …

「キドリントンから消えた娘」コリン・デクスター

キドリントンから消えた娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫)(1989/12)コリン デクスター商品詳細を見る 新米刑事モース~オックスフォード事件簿~が始まります。 全2話 WOWOW プライム二8/31(土)午後2:00~ 「いや、私のいうこと聞け」 ストレンジ(警視正)がピ…

「謎までの三マイル」コリン・デクスター

新米刑事モース~オックスフォード事件簿~が始まります。 全2話 WOWOW プライム二8/31(土)午後2:00~ 「 7 この章では、早く最初の死体に出会いたがっている読者の期待がみたされる。 またモース主任警部の性格の興味ある面が示される。」 どうもよくわ…

「ニコラス・クインの静かな世界」

「ニコラス・クインが海外学力検定試験委員会の一員に選ばれた際、委員会は大騒ぎとなった。 彼は極度の難聴で、会話を交わすにも読唇術だけが頼りだったからだ。 三ヵ月後、クインは毒殺死体となって発見された。」 いうまでもなくオックスフォード市は歴史…

「ウッドストック行最終バス」モース警部登場の第一作

ウッドストック行最終バス (ハヤカワ・ミステリ文庫)(1988/11)コリン デクスター商品詳細を見る 「夕闇の迫るオックスフォード。 なかなか来ないウッドストック行きのバスに痺れを切らして、二人の娘がヒッチハイクを始めた。 その晩、娘の一人が死体となっ…

「靄の旋律」アルネ・ダールの魅力

「ピアノが上へ下へ、前へ後ろへのんびりと歩きはじめたとき、彼女が部屋に入ってきた。 隣に潜り込んできた彼女の背中に腕をまわす。ふたりは見つめあった。 ふたりのまなざしは同じだった。 ふたりの世界は、救いようのないほどに隔たっていた。 彼女の息…

アスペルガー症候群の社会 ミレニアム4部作

「ミレニアム」には確かに謎がある。そして秘密も。プラトンの洞窟の比喩と同じように、スティーグ・ラーソンのミステリーには読者に提示されていない事実が含まれている。その事実はさまざまなドラマを含み、別のドラマとも深いところでつながっている。 2…

「シンメトリー」姫川玲子シリーズ短編集

「ストロベリーナイト」某月刊小説誌に2004年10月から掲載された一話完結の短編集。 いわゆる落語のまくら話のような、ちょっとネタで軽く楽しむ姫川玲子シリーズ。 こんなキャラが大ブレイクするなんて思ってもいなかったんでしょう。 昔、エド・マク…

浅見光彦アーカイブス(91)「贄門島(にえもんじま)」

生贄 贄門島 上(2003/03)内田 康夫商品詳細を見る 「紗枝子は重苦しい夢をみていた。 真っ暗な中に、ゆらゆら揺れる怪しいものの影がある。いや、揺れているのは光なのかもしれない。 どっちにしても、形が曖昧でおぼろげな、得体の知れないものである。 呻…

浅見光彦アーカイブス(88)箸墓幻想

西暦2000年 「この『神の手』の評価に翳りが生じた。『神意』どころか『人為』を疑われたのである。」 箸墓幻想(2001/08/01)内田 康夫商品詳細を見る 箸墓幻想は毎日新聞日曜版に平成十二年四月二日から六十三回にわたって連載された新聞小説です。 単行…

『金閣寺』三島由紀夫を読む

調べごとがあって、しばらくぶりに三島由紀夫の「金閣寺」を読みました。 いまごろ、なんで?という感じですが。 戦後文学の最高傑作のひとつでしょう。 まるで金閣寺の模型のような、というよりまるでダイヤモンドのような完璧で精緻な傑作小説です。 一言…

「夏目漱石展」を観る 広島県立美術館

楽しみにしていた展覧会(広島県立美術館)でありましたが、所用で忙しく結局最終日に観覧することとなりました。 漱石に関係する絵画や墨蹟の展示となりますと、当然ターナーなどイギリスロマン主義派の絵が中心となります。 とくに倫敦塔の着想のヒントと…

「ドナルド・キーン著作集」を読む

ドナルド・キーン著作集〈第1巻〉日本の文学 (2011/12) ドナルド キーン 商品詳細を見る いま、古事記から現代まで日本文学の通史を学びたいと思えば、ドナルド・キーン先生の「日本文学の歴史全18巻」を読むのが最適でしょう。 もともと英米向けの英文テ…

「スペンサーの街」ボストンの悲劇

2013年4月15日、米北東部ボストンで行われたボストン・マラソンのゴール付近で起きた爆発、140人以上が死傷した。大イベントが一転して惨劇に変わり、世界中に大きな衝撃を与えた。 スポーツを楽しんでいた人たちの青天の霹靂、死傷者の人たちにか…

ダン・ブラウンを読む

近くアメリカでダン・ブラウンの新作ラングトンシリーズ『インフェルノ(原題)』が出版される。 ダンテの「地獄編」をテーマにした冒険劇らしい。またまた新説で話題を呼びベストセラーになることはまちがいないだろう。 ちょうど、「ダ・ヴィンチ・コード」…